5月末~6月初にかけて4日間, 北海道の“発祥の地探し”の旅をしてきた。
今回は その初日の分 =〔千歳~札幌〕間で見つけた 13件を整理・掲載した。
鮭鱒人工孵化発祥記念碑 (千歳市)
北広島・水道発祥の地 (北広島市)
酪連発祥の地 (札幌市)
白石村行政発祥之碑 (札幌市)
白石村医療発祥の地 (札幌市)
六軒村発祥の地 (札幌市)
北鎮砲兵発祥の地 (札幌市)
北海道電話交換創始の地 (札幌市)
人工雪誕生の地 (札幌市)
札幌中学校発祥の地 (札幌市)
篠路歌舞伎発祥の地 (札幌市)
ハルニレの森づくり発祥の地 (札幌市)
民放第一声の地 (札幌市)
“発祥の地探し”のためには 事前にいろいろ調べて行くのだが, 現地に行ってみると 予想に反して「これは“発祥の地”とは言えない」という『ボツ』の碑がいくつかでてくる。 今回は それらを記録して「悔しさ」を表わしたい。
【寒地稲作記念碑】
北広島市の「旧島松駅逓所」にある記念碑で, 通常「寒冷稲作発祥の地」として紹介されている。
寒地稲作 この地に 始まる
北海道知事 町村金五
ここは 明治六年 大阪府出身の中山久蔵
が最初に米作を試みたところとして 永く記
憶さるべき地である
当時道南地方を除いては 北海道の米作は
危険視され 万全の開拓方針をたてることが
できなかったが 明治四年 単身率先してこ
の地に入地し開墾に従事した久蔵は あえて
まずここに水田一反歩を開き 種子を亀田郡
大野村から求めてこれを試み成功し その安
全さを証明したばかりではなく その種子を
道内各地の希望者に無償配布して成功せしめ
た ために附近の水田耕作熱は とみに高ま
り 空知 上川の穀倉を拓く基を開き つい
に北海道を全国一の米産地に育てる因を作っ
たのである
昭和三十九年九月
北海道大学教授農学博士 高倉慎一郎 撰文
鈴木凌雲 書
建立者 中山久蔵翁記念碑設立協賛会
広島村
左:寒地稲作記念碑
右:札幌建設の碑
(画像クリックで 拡大)
【札幌建設の碑】
札幌のテレビ塔から150m南の 創成橋交差点角, 札幌東急ビルの前にある。
この碑は, 1869(明治2)年に始まった 札幌の街づくりの基点をしるしたもの。 名前からして 発祥の地にふさわしいと思っていたのだが, 現物には「発祥」に相当する言葉の記載がなく, 残念ながらボツにした。
札幌建設の地
札幌市長 原田与作
この地は 銭函から千歳に抜ける道と藻岩山麓を通り篠路に行く道路との交差点に当り明治弐年拾壱月拾日開拓判官 島義勇 石狩大府の建設をこの地からはじめ その志をついだ岩村判官は同四年参月札幌の町割をこゝを中心として行い 民家を建てることを許した
今日の札幌市はこの附近を基点として発達したのである。