群馬県の発祥の地 6件を 「発祥の地コレクション」に掲載した。
これで 3回続いた 埼玉・群馬県シリーズ(全15ヶ所)の記録が終った。
奥平家発祥之地 (群馬・吉井町)
群馬酪農業発祥之地 (前橋市)
日本最初の機械製糸場跡 (前橋市)
群馬県立高崎高等学校発祥之地 (高崎市)
なぎなた競技発祥の地 (高崎市)
群馬県ボーイスカウト運動発祥之地 (高崎市)
【奥平家発祥之地】
ここの取材には とても苦労した。 これまでの取材旅行の中で 苦労の度合いは最大だっただろう。
発祥碑は 当然 「奥平城跡」 にあると思い込んでいたので,懸命になって城跡を探した。
こういうマイナーな城跡は 詳しい情報がない。 ウロウロと探し回る。
ようやく 「奥平城跡」 の標識を見付けた。 よくある 朽ち果てたような標識ではない。 なかなか立派なものだ。
しかし 城跡に上ってみて落胆。 本文にも書いたように,現地は手入れされていない竹林になってしまっている。
竹林に分け入って,クモの巣をはらいながら歩き回ること数十分。発祥碑どころか 城跡である証拠すら見つからなかった。
だんだん方向感覚がなくなり このまま竹林から出られなくなるのではないか という恐怖感に襲われ,逃げるように下界に戻った。
しかし いくつかの情報から どこかに発祥碑があることは確からしいので,止むなく町の教育委員会に電話で問い合わせてみた。 こんな電話で仕事の邪魔をするのは 申し訳ないなぁ...と恐縮しながら。
先方は 最近現地を見ていないらしくて,竹林になっていることを言っても なかなか納得してくれない様子。
さらに話を聞いていくと 「城跡と言っても何もありませんよ」 とのこと。
「発祥の地の碑があるはず」 と聞くと, 「発祥の地は 城跡ではなく,数百メートル北の墓地にある」。
そうだったのか...! やはり電話で聞いてみてよかった!
それからの 墓地探しもまた一苦労。 探し回ったあげく これは人に聞くしかないと, 道端に建つ古い店でたずねて,ようやく場所がわかった。 親切なおばあさん ありがとう。
車一台がようやく入れる狭い山道を登って行き,右手奥の方に墓地らしき場所を見つけた。 あとは歩いて登る。 あった! 大きな石碑が建っていた。
さて 碑文を読もうと思っても ほとんど読めない。これからがまた一苦労。
古い石碑なので 文字が不鮮明。 おまけに大きな石碑なので 下から見上げて 遠くから読む形になる。
写真も逆光なので撮りにくい。
同行してくれた Tさんが 石碑にとりついて,一文字ずつ声に出して読み下してくれるのを, ボイスレコーダに録音して, どうにか読み取った...つもりだったが,あとで 見にくい碑面の写真を眺めながら 録音を聞いてみると, どうしてもわからない文字が数ヶ所出てきた。
あんなに努力したのに...と悔し涙。